現場に寄り添った、これからの地域政治とはどんなかたちか?
ホテル八木代表 八木司さん(以下八木)との座談会を行いました。

ホテル八木 代表取締役社長
八木 司
1980年生まれ。大学卒業後あわら市に
Uターンし、2024年にホテル八木社長に。
3児のパパとしても日々奮闘中。
政治・行政と現場のギャップを解消したい
八木:いきなりですが、前回の市長選に落選したあの頃の気持ちから聞かせてください。
佐々木:落選後は試練の時でした。びっしりだったスケジュールが、急に真っ白になる。時間ができると、自分に向き合わざるを得ません。「自分には何が足りなかったのだろう」。その問いがずっと心にあり、自分自身を根本から見つめ直す貴重な機会となりました。
八木:そこで、色々な人との出会いを求めたのですね。
佐々木:はい。ありがたいことに、声をかけてくれる方々がいました。外に出て、一市民目線でいろんな価値観に触れるなかで、「私はやはり、人や社会のために役に立ちたい」と思うようになりました。

人を育てることは、まちを育てること
八木:佐々木さんは、いつも人づくりに力を入れていましたよね。
佐々木:市長になってからは、職員のみなさんへの様々な研修を続けていました。一方で、観光にかかわる市民の企画力や稼ぐ力を育てる研修もやってきました。
八木:まちは人でできています。人を大切にできるまちは、自然と元気になるんですよね。
佐々木:人材育成や職員研修に力を入れていたので、厳しく見えたところもあったかもしれません。でも、根っこは「人が育つことが、まちの活力になる」。そこは変わりません。
吉崎「蓮如の里」に灯ったあかりとにぎわい
八木:吉崎の道の駅は象徴的な取り組みでしたね。
最初は「あそこに人が来るのか」と言う人もいました。
佐々木:ええ(笑)。吉崎には歴史や文化、人の思いがあります。決して思いつきではなく、他の事例を研究し、地域の人たちと対話を重ね、国や県からの助言も得て形にしました。
宗派や寺院、地域…立場が違う人たちが同じテーブルにつき、地域の将来について議論しました。地元の人からは、何百年の歴史で初めてのことで画期的だと言われました。地域の関係をつないだ取り組みだったと感じています。
八木:開業してからは、吉崎に賑わいと笑い声が戻りました。

暮らしに寄り添う市政へ
八木:市民のなかには「明日の暮らし」に不安を感じている人も多いですよね。
佐々木:まずは市役所の外へ出て、現場を見て声を聞くことが大事です。地域の実情に応じて、適切にサポートしていきたいですね。
八木:それは、自然なやり方だと思います。あわらには、集落ごとに大切にしてきた生活や文化があります。
佐々木:それを、未来にちゃんと渡していきたいんです。だからこそ、私は 「対話」 を大切にします。現場に足を運び、声を聞く。最初に取り組みたいのは 「集落実態調査」 の再スタートです。現状を正しく知って、福祉・防災・人づくりへ結びつけていきます。困りごとは一緒に考え、すぐ動く。「対話でつくるまちづくり」を、もう一度徹底したい。
あわらの未来を明るく元気に
佐々木:私が好きな言葉に「積小為大」というのがあります。
小さな改善を積み重ねながら、未来のあわらを明るく元気にしていきたいと思います。
八木:「あわらで暮らせて良かった」その言葉が、まちのあちこちで聞こえてほしいですね。佐々木さんのように、現場を歩き、市民と対話しながらまちをつくる姿勢に私も大いに期待しています。
佐々木:ありがとうございます。現場との対話を大切にして、明るいあわらの未来を切り開いていきます。対話によるまちづくり宣言です。





